2008.09.24
株式会社NTTデータ経営研究所(東京都渋谷区、佐々木崇社長)はこのほど、NTTレゾナント株式会社の提供するインターネット・アンケートサービス「gooリサーチ」の協力を得て、実態に基づいた中心市街地活性化の糸口を探ることを目的に、中心市街地に対する意識や利用実態、消費活動の状況等について把握するため、「中心市街地の必要性に関するアンケート調査」を実施したと発表した。

同調査結果によると、旧中心市街地活性化法が施行された10年程度以前と比較して、衰退した中心市街地の施設として、回答者の約7割(67%)が商店街などの「小規模商業施設」を挙げている。また、中心市街地の衰退原因としては、「郊外のショッピングセンターのように大規模な無料駐車場がないため」が二番目に多く、42%を占めた。

中心市街地活性化の必要性と費用負担については、「税金を投入してでも積極的な活性化を推進すべき」は20%に過ぎず、「税金を投入してまで活性化する必要はない」が25%、「中心市街地の当事者が費用を自己負担して活性化を推進すべき」が18%をそれぞれ占めた。

また、中心市街地活性化の必要性や費用負担については厳しい意見が多い一方で、街なか居住意向については、「条件が合えば住みたい」が最も多く過半の51%を占め、「積極的に住みたい」の11%を合わせた積極派が62%に達した。


【ニュース解説】
「駐車場の整備された郊外型ショッピングセンターがあれば、商店街など必要ない。」

地域や年齢による差はあるものの、今回の同研究所による発表は、大方の「消費者」の本音が現れた、非常に精度の高い調査結果と言えるだろう。しかし、「消費者対小売店」という、言わば対立の構図を前提とした調査には、もはや意味が無いと思われる。

郊外型のショッピングセンターの多くは「焼畑商業」だ。「収穫」が終われば、広大な廃墟を残したまま、即座に撤退する。

確かに、郊外型のショッピングセンターは中心市街地の商店街よりも「安くて品揃え豊富」なわけだから、多くの消費者は当然支持するだろう。しかし、その消費行動が、まわり回って街全体の求心力の低下、公共交通機関の衰退、既に都市基盤の整っている中心市街地の「稼働率低下」にともなう行政負担の増大など、計り知れないデメリットとして返ってくる。

一方、中心市街地の商店街は、歴史や文化の継承団体として、また地域社会の構成員として、単なる小売業・サービス業の域を超えた機能を果たしてきた。消費者が「傍観者」として「商店主の努力が足りない」と言い放つのは簡単だが、市民・納税者は本来、まちづくりの担い手であり、傍観者ではない。

この種の調査では、小売店も消費者も、ともに街をつくり、維持していくことで、結果的には自分たちの生活が守られる、という視点があまりにも欠落している。

「消費者対小売店」という対立の構図を前提とした議論では、環境問題や少子高齢化、財政の立て直しといった難題を、根本的に解決することはできない。

同調査の中でやや明るい兆しが見えたとすれば、「街なか居住」に対する肯定的な声であろう。

中心市街地に住むだけでも、そこに消費が産まれる以上、中心市街地の「稼働率」は上昇する。もちろん、一度衰退した中心市街地の商店街がすぐに息を吹き返すわけではないし、これまでの国や行政による支援にも大いに問題はある。

しかし、使い捨ての「焼畑」だらけの郊外が、ほぼ際限なく拡散し続ける現在の日本(その多くは地方)が、環境問題や少子高齢化、財政の立て直し、更には昨今のガソリンや穀物の高騰といった現状にどれだけ「逆行」しているかは、もはや議論の余地は無いだろう。

まちづくりに「自己責任」を負うのは、むしろ「消費者」の方なのかも知れない。

まちおこし・観光・不動産ニュース 遊都総研.comより

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